0:プロローグ
時は、2312年。
人類は母星である地球を離れ、宇宙へと生活圏を変えて、細々と暮らしていた。
その地球では、お金が無いために、宇宙での生活権を取れず、やむなく地球とともに最後を迎えようとしていた。そこに、宇宙から今だかつて人類が経験してきたことのない未知なる物が、地球へと向かっていた。その物によってもたらされた物語である。
ここは、国際宇宙開発機構火星基地宇宙観測所。ここでは、今だに地球から逃げ出すことが出来ずにいる人々の救済目的の為に、日や新しく開発できる可能性のある星を探しているところである。
そんなある日の事である。観測システムがある一つの隕石らしき物体を観測した。この隕石らしき物体こそ、これからの地球の運命を変える物だということは、誰も予想はしなかっただろう。
そして場所が変わって、ここは地球の日本国の旧東京都八王子市。現在は、関東区東京市Bブロック第7地区という名になっている。ならず物達が昼間からうろついているような、治安の悪いところで有名なところである。そんな中を一人の少年が歩いていた。彼の名を片治竜崎。現在、この地区の旧八高校に通っている、普通の高校2年生である。付け加えていうのならば、学級委員長でもある。
現在、学校で習っているのは、現代史という教科である。ここ数十年の間に起こったことについての勉強なのだが、やる内容が地球人類の絶滅についてのなんちゃらこんちゃら、わけの分からん事について延々と続けている。
そんなつまらない学校が終わり、放課後。俺は、いつものように、学校裏にある裏山へと来ていた。この裏山は、俺が小さかった時から来ているお気に入りの場所で、この辺の事ならほとんど知っているぐらいに毎回来ている。今日は何と無く、その裏山にある、洞窟へ向かう事にした。
この洞窟は、人工的に作られた物で、なんかの施設だったらしいのだが、何の施設かまでは知らない。施設の入口とおぼしき扉があるところまでは、行ってみたことはあるが、その扉がどんなことをしても開かなかったので、諦めて帰ってきたためである。
そんな様な物がある洞窟だが、それ以外のことは、何の変哲もない、ただの洞窟だった。あれが落ちて来るまでは。
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