36:エピローグ

「ついにやりましたね。割と呆気なく。」
俺は、今の気持ちを素直に話す。 「そうだな。確かにこの世界の大きな闇は消え去った。だからといって油断するわけにはいかない。まだ、リュウキの知らない世界はいくらでもある。そして、その総てに危険なやからが居る訳では無いが、中にはこういう所に侵略しに来る場合だってある。そんな場合に備えて日頃からの訓練が必要だからな。」
「はい。」
シンバさんと俺との話しが終わると、プリムが近寄ってきた。
「大丈夫だった?」
「あぁ。何とも無い。それよりもプリム。君こそ大丈夫かい?さっきので大分力を使っていたようだしさ。」
そう聞くと、プリムは少しばかり疲れた様な顔で答える。
「えぇ。少し休んだ方が良いような気がする。」
その言葉にすぐに近くにある腰掛ける事の出来る者を探す。そうして、近くに運よく座るのにちょうど良い場所を見つけたので、
「あそこで休もうか?」
「えぇ。」
二人で腰掛ける。そして遠くをただただ見つめている。俺は思いに更けっていた。トラスと出会ってから始まった、この波瀾。今では懐かしささえ感じる程となっている。そして、俺が思いに更けっている時にトラスが隣に座ってきた。
「トラス、ありがとな。こんな事に付き合わせてさ。」
トラスは俺のいった事を笑いながら、こう言ってきた。
「何だよそれ。元はと言えば僕が原因だけどな。」
「あればあれ、これはこれだ。今は気にしてはいないさ。」
「だろうな。」
そして、顔を見合わせて笑った。
「じゃ、僕はこの辺で失礼するよ。今度会う時はライバルだからな。それは忘れるなよ。」
トラスからのライバル宣言。
「わかっているさ。」
「じゃあな。」
そう言って去って行ったのだった。

闇の封印に成功してからは、世界がいっぺんした。今まで起こっていた事件が少なくなったり、世界全体に平穏な時が流れるようになったりと、地球全体で全てが良い方向に流れて行く。これで今まで続いていた人類の窮地を脱する事が出来たのである。こうして、この物語は終わるのだった。

完結?



























時が過ぎて高校2年の一年が終わりを告げた。そして、4月。桜が咲き乱れ、陽気な雰囲気を漂わせている。そんな中を一人の男が歩いて行く。見た目は17・18才ぐらいだろうか?そして、その男は真っ直ぐに教室に向かうと思われた。しかし、学校に入るとその足で教員室へと向かったのだった。
「失礼します。」
そう言って教員室の中へと消えてった。
その頃、教室では新たなクラスとなった人々が思い思いの人達と話している。そして、ホームルームの時間となり担任の教師が入って来た。
「えー、このクラスの担任になった無党新葉だ。よろしくな。」





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