27:影と原因究明

ついに大犯罪を起こし、逃げ回っていた、次元間指名手配者である、ヤザギス・J・サハジスラを捕らえる事に成功した俺達は皆、仕事を終えて、意気揚々と帰って行った。そして、この場に残って居るのは、シンバさんにナダニエルさん。それに俺とプリムの4人である。
「ナダニエル。どんな感じだ?やっと厄介な奴を逮捕出来て、どう思って居るのかなって思って、聞いてみただけなんだけど。」
少し考えてから、
「そうですね、肩の荷でも降りた気分ですね。」
「だけどまだ、終わった訳じゃあ無いんだな。まだ、あの影についての事が、残っちゃっているだよな。今は変わった動きは無いけど、いつ変化があるか分からないし。厄介なんだよね。あんまり、こういう話しは、すぐに話したくはなかったが、時間がどのぐらい必要になるのかも、分からない現状下では、どうしても早く事を進めなければいけないから。」
と、周りの雰囲気は最低な方向へと向かいつつあった。このままでは、話しが途切れてしまう。それを防ぐには、何か新たな話しをしなければいけない。しかし、今の状況ではそんな事をする者が出てくる様子も無く、非常にまずい状態である。
「あの、そろそろ対策を始めないと大変な事になるかも知れませんから。」
と呼び掛けた。二人とも、俺の呼び掛けに気付いて、
「そうだな。こうして居るわけにはいかない。さっさと対策を立て、行動に移さなければ!」
と、シンバさんが、活気づき、それに続くように、ナダニエルさんも、
「そうですね。我々がしっかりとしなければ、なりませんからね。」
これで、元の方向性へと戻る事が出来た。
「では、影の原因となっているものか、それの中心となる場所を特定しないと。」
俺が提案を出す。
「そうだな。よし、それで行こう。みんな、手伝ってくれよ。」
シンバさんからの呼び掛けに、
『はいっ!』
このようにして、大探索が始まるのだった。ただし、それを行うのは、1日中。それも休むことなく、やり続けなければいけないものだった。
という事で早速、家に帰ってから始める事になった。
「はあ〜、これは大変だなぁ〜。休むことなくやり続けなきゃいけないからな。ん〜、まぁ、深く考えても意味は無いし、始めるか。」
こうして、長い探索というなの戦いが始まるのだった。

初日

「探索を開始。」
『searching system all green.』
『search start.』
「よし。これで、定期的に確認して送るだけか。後は寝るだけっと。」
こうして、初日はあっけなく終了した。

2日目

朝、目が覚めると一つ大きなあくびをしてから、サーチデータを保存し、シンバさんに送る。
『No problem.』
「探索初日は、さすがに問題は起きないな。さてと、学校に行かなきゃ。」
食事をして、学校へと向かう。そして、学校に着くと、
「どうだった?」
と、柊さんが聞いてきた。
「いや、何の進展も無しさ。」
「そうなんだ。私はお父様に調べてくれるように、頼んで置いたわ。」
「そうか、それは有り難い。俺が、お礼をしていたと、伝えておいてくれないか?」
「分かった。伝えておくわ。」
「有難う。」
この様にして、学校が始まった。そして、昼食の時の事。
「よぉ、竜崎。」
「等か。今日はなんだい?」
「今日はなぁ、お前にとっておきの事さ。」
「とっておきって?」
「それは、夏休みの期間を延ばすって。」
「延ばす?それって、冬休みが減らされるとかじゃないの?」
「それがどっこい。他の日を増やすんじゃ無いってさ。」
「それは、珍しい。」
「だろう。」
「で、なんでだと思う?」
「わかる訳無いじゃん。先生の勝手何だし。」
「それもそっか。」
こう話している間に、シンバさんへとデータを送る。そして時間が過ぎ、

3日目

今日は創立記念日のためで、学校はない。そのため、学校の宿題を片付けていた。そんな時、
『Fained』
「見つかったのか?」
示されていたのは、はるか1兆億光年先に、影の目が発見された。
「早く知らせなくては。」
そして、シンバさんに電話をかける。
"プルルル、プルルル、プルッ。"
「はい。無藤ですが。」
「シンバさん、ですか?」
「その声は、リュウキか。なんだい?」
「見つけましたよ。影の中心を!」
「見つけた!?でかした。で、そこはどこなんだ?」
「今、座標を送りました。地球から、約1兆億光年先にありました。」
「そうか。分かった。引き続き探索を続けてくれ。近いうちに集まろう。決まったら知らせるからな。じゃあ。」
そうして、通話が途切れた。電話が切れたので、受話器を元の位置に置く。
「続きかぁ。」
『Again?』
『search start.』
という事で、探索を再開した。再開後は、何も新しい事は分からず、3日目が終わった。


暗き世界。そこに在るのは、何者かの影。
「ついに、神竜達が調べだした。」
「ケッケッケ。それがどうしたという?」
「分かっているだろう、お前にも。」
「ケケ、もちろんさ。復活するには。」
「分かっているなら、くだらん冗談をいうな。」
「ケッ、分かってるよ。」
こうして、闇は確実に力を蓄えているのだった。


4日目

探索を始めてから3日たった。今まで探索してきて、分かった事は二つ。一つ目は、影の中心の場所。二つ目は、影の発生原因である。この二つの事柄以外で、何か変わった物が無いか探索をしている。
「4日目かぁ。何にも見つからない。」
一向に新たな変化が見つからないので、少しあきらめ気味になっていた。
「いつになったら終われるんだろう?」
こんな事を思いつつ、1日はすぐに終わりを迎えたのだった。

5日目

学校は、もうすぐ長期休暇である夏休みが後、5日後に迫っている。
「もう少しで、お楽しみの夏休みだな。」
とここで、話しの途中で等が話題を変えてきた。
「そうだな。ところで等は夏休み、何をしたいんだ?」
「うん〜、特にやりたい事とか無いな。」
「今は、無い。別の厄介事なんかは、あると思うけど。」
「そうか。大変だな竜崎も。」
「自分で決めた事だから。名前をつけてもらうんじゃ無い、自分で決めてこそ、人生何だから。今は正確には人生じゃ無いけど。」
「それもそうだな。…名称未設定だな。」
「え?」
「だから、名称未設定だよ。名前、まだ決まっていないんだろ。」
「あぁ、そうだ。いい名前に決めるさ。」
「だったら頑張れよ。応援したるから。」
「お互い様に。」
そんな事がありながら、5日目は終わった。

6日目

探索開始してから6日目。ついにシンバさんから、召集がかかった。明日の放課後に、俺の近くにある公園に集合となっていた。
『何で公園何だ?』
と思ったが、疲れる探索の終了の方に、思いが傾いていたため、あまり気にして居なかった。明日になってから、ようやく、驚いたのだった。その予想外の場所に。



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